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平成に生まれて、そして消えた三菱のSUV5選
バブル景気の絶頂と崩壊で始まった平成時代。金融、政治、経済が大きな影響を受けるとともに、テクノロジーの進歩で人々の生活が大きく変化した時代でもありました。クルマ業界も、ユーザーのニーズや時代に合わせるように、さまざまなモデルが開発されました。三菱自動車も多分にもれず、激動の平成時代にSUVをリリースしました。
更新日2020/05/27都会的なデザインのチャレンジャー
チャレンジャーは1996年(平成8年)7月にデビューした、ミドルサイズのSUVです。デザインコンセプトは”アーバンテイストスタイリング”。パジェロよりも10cmほど低くシャープなデザインは、オンロードの走りを意識したモデルでした。
しかし、2代目パジェロとシャシーを共用した堅牢なラダーフレーム構造を持ち、4WDシステムもフルタイム4WDを基本に、4種類の走行モードを状況に応じて使い分けられるスーパーセレクト4WDを搭載。悪路走破の基本性能は、パジェロと同様に高いものでした。
発売当時のパワーユニットは、3.0L V6ガソリンと2.8Lと2.5L 直列4気筒ディーゼルターボ。1997年にはマイナーチェンジが実施され、ガソリンは3.5L V6のGDIに、ディーゼルは電子制御化された2.8Lへと変更されました。
2001年6月、日本仕様のチャレンジャーは生産終了となりましたが、その後海外では2代目、3代目が登場し、多くの国で販売されています。
日本からは撤退したけど…パジェロは不滅!タイ三菱のパジェロスポーツ
新しいパッケージが特徴だったЯVR
ЯVRは1991年(平成3年)2月、日本に空前のアウトドアブームが到来したタイミングで発売されました。
2代目シャリオをベースとしたトールワゴン+SUVというパッケージングで、大型ハロゲンヘッドランプやリアディフレクターを全車標準装備としたほか、フロントガードバーとリアバンパーステップ&テールゲートグリップをXとRに、ルーフレールをXに装備しています。
また後席左側には世界初のインナーレール式スライドドアを採用。5人乗りと4人乗りがあり、4人乗りの後部座席は、300mmというスライド量で、広々とした室内空間を楽しむことができました。
パワートレインは、2.0L 直列4気筒ガソリンで140PS。4WDモデルにはVCU付センターデフ方式フルタイム4WDシステムが搭載され、あらゆる路面での走行安定性を向上させています。
1992年にはクロカン4WDテイストの力強い外観になったスポーツギアが追加。エンジン出力が160psにパワーアップ。1994年には、ランエボに搭載される4G63型の2.0Lターボをデチューンし、250PSを発揮するX3、スーパースポーツギアが追加されました。
1997年11月に2代目にモデルチェンジとなり、初代の販売が終了となりました。
三菱クロスオーバーSUVの先駆けエアトレック
2001年(平成13年)6月にデビューしたエアトレックは、”日常からレジャーまで快適に使える自由な空間と、オンロードからオフロードまで楽しめる自由な走り”をコンセプトにしたクロスオーバーSUVです。
全長4,410mm×全幅1,750mm×全高は1,550mmという日本の道路で使いやすいサイズながら、ホイールベースを2,625mmと長く取ることにより、2列シートミニバンに匹敵する居住性を確保しています。
また、ほとんどの立体駐車場への入庫が可能な車高に抑えながら、最低地上高は196mmを確保するというパッケージングで、利便性と悪路走破性を両立させていました。
エンジンは、2.0Lと2.4Lの直列4気筒ガソリンで、トランスミッションはINVECS-IIスポーツモード4速AT、4WDシステムはランエボ譲りのVCU付センターデフ方式のフルタイム4WDとなっています。
デビュー翌年には、ランエボと同じエンジン、4G63型の2.0L 直列4気筒ターボを搭載したターボRを追加。INVECS-II スポーツモード5速ATとの組み合わせにより、動力性能を向上させています。
また2003年1月には、左右分割タイプのフロントグリルや前後大型バンパー、大型ルーフレールなどでより迫力のある外観へとアレンジしたエアトレック スポーツギアが追加されました。
2005年10月には、後継モデルのアウトランダーへと引き継ぐ形で生産終了となりました。
数少ないピックアップトラック。トライトン
タイで2005年8月に発売が開始されたトライトンは、従来のピックアップにはないスタイリッシュでスポーティなデザインと、機能的で快適なインテリアが特徴で、1トンピックアップの需要が特に高いタイを中心に、世界各国へと輸出される世界戦略モデルです。
堅牢なラダーフレームに、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがリーフスプリング式で、乗用車並みの快適な乗り心地を実現しています。
2006年(平成18年)8月に、日本での予約が開始。海外ではディーゼルエンジンの設定もありましたが、国内仕様は3.5L V6ガソリンエンジンと4速ATの組み合わせのみ。ボディ形状も、4ドアダブルキャブ(5人乗り)のみの用意でした。
ピックアップトラックの国内需要が非常に少なく、販売も振るわなかったため、2011年8月で販売が終了した短命のモデルでもありました。
しかし海外では、2代目へと進化するとともに、パジェロスポーツのベースになっているなど、世界のさまざまな国で活躍しています。
軽自動車枠を超えたパジェロジュニア
1995年(平成7年)11月にデビューしたパジェロジュニアは、「パジェロでは大きすぎ、軽自動車のパジェロミニでは物足りない」というニーズに応えて登場したモデルです。
ボディはパジェロミニをベースとしており、ブリスターフェンダーや大型バンパーによって、ワイドトレッド化を実現しています。
エンジンは、1.1L 直列4気筒ガソリンで、4WDシステムはイージーセレクト4WDを全車に標準装備。走行中の2WDと4WDの切り替えを可能としています。
1997年に登場したネオクラシックなデザインをまとった限定モデルのフライング・パグは、このパジェロジュニアがベースでした。
パジェロジュニアの販売終了は、2000年4月です。
アウトランダーやデリカなど、独創的で魅力的なSUVを販売する三菱自動車。戦後にジープのノックダウン生産に携わったり、90年代のRVブームを支えたパジェロを開発したメーカーとしても有名ですが、平成時代にも多くの魅力的なモデルを発売。そんなメーカーだけに、現在、元気なないのはちょっと心配なところです。