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平成のブームで生まれた魅力的な軽SUV

1990年代の終わりごろ、日本ではちょっとしたSUVブームが起こり、各軽自動車メーカーは、乗用車とクロスカントリー4WDモデルを融合させた都市型SUVをリリースして、新たなジャンルを模索していたのです。結果として、ラインアップから消えてしまいましたが、そのコンセプトや作りは現在の軽SUVにしっかり受け継がれています。あらためて見ると、いずれもなかなかの意欲作です。

更新日2020/02/14

ダイハツ テリオスキッド 徐々に都市型クロスオーバーSUVに変貌

ダイハツ テリオスキッドテリオスキッドはその名が示す通り、1年半先に発売された1.3Lの小型SUV、テリオスの軽自動車版として、1998年にデビューした軽SUVです。スタリングをはじめ、パーツなどもテリオスと共有しながら、軽サイズに収められていました。

コンセプトは、乗用車+オフロード4WDの融合。エンジンは、ミラなどにも搭載される新開発のTOPAZシリーズで、最強の660cc直3ターボインタークーラー付きは6PSを発生しました。

当時、軽SUV唯一の5ドアはファミリーにも使いやすく、衝突安全性に優れたボディは高い評価を受けました。タイヤは大径15インチ。

当初は、オプションで後輪LSDまで用意されたフルタイム4WD(センターデフ付き)のみでしたが、2000年には2WDモデルを追加。同時に、エアロパーツ、ローダウン仕様のもラインアップに加え、都市型SUV色を強くしてゆきました。

しかし2012年に販売を終了。その後2015年に発売されたキャスト アクティバに、軽クロスオーバーSUVのコンセプトが継承されました。

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ホンダ Z(2代目) ミドシップ4WDのハイパフォーマンス

ホンダ Zミドシップエンジン+4WDという、ラリーカーやダカールマシンのようなレイアウトを持った軽SUVが、1998年に発売されてホンダ Zです。

前後重量配分はスポーツカーのような50:50。エンジンをミドシップマウントするのは、じつはホンダの実用軽自動車の伝統で、レーシングエンジンのような4ストローク水冷直4DOHCを搭載した驚異の軽トラックT360(1963年)や、その後の軽トラック・バン(アクティ)の原型になったTN360(1967年:4スト空冷直2SOHC)からそうでした。

初代Zは、1970年に発売されたFF軽スポーツクーペで、斜めにカットされ樹脂製の太いリムを持つリアガラスハッチが特徴で「水中メガネ」と呼ばれました。

2代目Zは、ハイパフォーマンスを狙った軽SUVですが、斜めのリアウィンドウに少しその面影があります。

基本となるエンジンは660cc直3SOHC12バルブで、そのNAとインタークーラー付きターボがあり、ターボは64PSと高出力でした。NAもターボ(LSD装備)も、4AT+リアルタイム4WDのみで、タイヤはオフロードで走破性を狙って15インチ。ただ、スタイリングが大人しく、オフロード性能の高さなどがアピールしきれないのが残念でした。

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スズキ kei  街でも遊びでもフレンドーなSUV

スズキ kei

軽自動車のボディサイズが拡大された1998年に、従来にないクロスオーバーSUVとして、スズキが世に送り出したのが、kei(ケイ)です。

当時スズキでは、乗用車のアルト、トールワゴンのワゴンR、クロスカントリーモデルのジムニーと、人気車が揃っていたので、これらにない特徴を持ったクルマを模索していた結果が、keiだったのです。

スタイリングはアルトとワゴンRの中間的なもので親しみやすく、乗り降りしやすく運転のしやすいシートポジション(座席高がやや高く視界が良い)や、荷物が積み下ろししやすい各ドアの開口部、フラットな荷室など、”使いやすい”を徹底させていました。

デビュー時は3ドアだけでしたが、後に5ドアを追加。2000年以後は、5ドアのみになりました。

エンジンはNAの直3DOHC 、直3SOHCターボ、直3DOHCターボの3種類。最強のDOHCターボは、カプチーノと同じもので、最高出力64PSを発生します。駆動方式は2WDと4WDから選べ、ミッションは3AT、4AT、5MTが設定されていました。

2009年に生産終了となりますが、このコンセプトが現在、人気のハスラーを生み出したと言われています。

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ダイハツ ネイキッド 直角箱型デザインはユーティリティ抜群

ダイハツはテリオスネイキッド発売の約1年後の1999年、都市型SUVに特化したネイキッドをデビューさせました。

スタイリングはタフ&シンプルというコンセプトを反映させた箱型デザインで、さらに都市部のタワーパーキングに駐車できるよう、タイヤサイズをテリオスキッドの15インチから13/14インチに変更し、全高を1,550mmに抑えたことがポイントです(テリオスキッドは1,675〜1,740mm)。

エンジンは、テリオスキッドにも採用されて直3DOHCターボ・インタークーラー付きの64PSとNAの58PSの2タイプ。2WDとフルタイム4WDに、5MTと4ATのミッションが組み合わせられます。

シングルフォールディングのリヤシートは、分割して脱着可能。さらに助手席も前倒し可能で長物も詰めることに加え、低床フロア、真横から荷物の積み下ろしがラクなように、ドアがほぼ直角(85度)まで開くなど、徹底してユーティリティを追求した異色の軽SUVでした。

2003年に生産が終了しましたが、デザインも使いやすさも、いま販売されてたら…と思うモデルです。

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1998年には軽自動車規格が変わりボディサイズが拡大されたので、各社フルモデルチャンジを行いました。そこでデビューしたのが、新感覚の軽SUVというわけです。走りも機能も利便性も現行車に負けないので、状態の良い中古車があったらおもしろそうです。4WDシステムは完全電子制御になる以前の過渡期のものですが、充分使えます。さすがにハイブリッドはありませんが、最高出力64PSは同じですよ。

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