プロモーション
90年代に販売されていた懐かしのSUVたち
1990年代は、バブル崩壊をはじめ、社会を震撼させる大きな事件や震災が起こるいっぽうで、人々の暮らしにも変化や多様性が生まれるなど、まさに日本全体が大きな変化を経験した10年でした。そのなかで、自動車はRVやSUVがブームになり、現在に続く新しいモデルが生まれた時代でもありました。今回は、そんな90年代に発売されていたSUVをいくつかピックアップして紹介します。
更新日2020/05/19三菱 RVR(1991年発売)
パジェロやデリカ、シャリオといったいわゆるRV(レクレーションビークル)の人気をうけて、パジェロよりもライト感覚で乗れるクルマとして企画されたのがRVRです。
RVRは、2.0Lもしくは1.8Lのガソリンエンジンにフルタイム4WDを組み合わせたトールワゴンタイプのRVで、2列シート、後席片側スライドドアにくわえ、後席の足元より後ろ側をフラット化、さらに多彩なシートアレンジや、ロングスライドが可能なリアシートによって、さまざまなユーザーニーズに応えるよう設計されていました。
後に、ディーゼルや2.0Lターボモデル、電動オープンルーフを装着した「RVRオープンギア」を発売するなど、さまざまなバリエーションをラインナップするクルマでした。
トヨタ RAV4(1994年発売)
現在でこそSUVといえばスタイリッシュな街乗りというイメージですが、90年代のSUVは、アウトドアで道なき道を走るオフロード4WDのイメージでした。
しかしそんなイメージを覆す1台がトヨタから誕生しました。それが初代RAV4です。
当時のオフロード4WDは、おもに堅牢なラダーフレーム構造のシャシーを採用していたのに対し、RAV4は乗用車と同じモノコック構造で、街乗りやオンロードを主として開発。
コンパクトな3ドアボディで、SUV的な見た目なのに街乗りもできる、という新たなコンセプトが日本だけでなくアメリカでも人気となりました。
その後、アメリカ市場に合わせてモデルチェンジのたびにボディサイズを拡大したことで、日本での販売が低迷。2013年にデビューした4代目は、日本では発売されませんでした。
しかし、ここ数年のSUVブームを受けて、2019年より5代目が復活。今後がとても期待されている1台です。
ホンダ CR-V(1995年発売)
RVブームと言われた90年代初頭、ホンダのラインナップはFFの小型車が中心で、自社で生産するミニバンやRVはありませんでした。
そこで最初に企画されたクルマが、シビックをベースに多人数乗車を可能にしたミニバンのオデッセイでした。
オデッセイは、多様なユーザーニーズに応え、人々の生活をより楽しく、豊かに広げるクリエイティブ・ムーバー(生活創造車)シリーズの1台で、の第2弾として誕生したのがCR-Vです。
「セダンの持つ爽快な走りや快適な乗り心地」を基本に、ワゴン並みのユーティリティスペースとクロスカントリー4WDの機動性、機能と安心の新デザインをメインテーマに開発されたCR-Vは、2.0L直列4気筒エンジンにコラム式4ATを採用。
スタイリッシュで都会的なデザインに、広い居住空間という優れたパッケージングで、人気となりました。
いすゞ ビークロス(1997年発売)
1993年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー、ヴィークロスが好評だったことをうけ、97年に販売されたモデルが、ビークロスです。
ショーモデルでは、いすゞの小型乗用車ジェミニのシャシーをベースにしており、クロスオーバー色が強かったのに対し、市販モデルはいすゞの本格4WDであるビッグホーンのシャシーをベースにしています。
その結果、大型の3ドアボディに3.2L V型6気筒ガソリンエンジンに、駆動方式は4WDのみという割り切った設定になっていました。
ボディサイズやエンジンが大きくなってしまったことは、少し残念ですが、いま見ても色褪せていない斬新なデザインは、スペシャルティカーとしての資質も十分です。
しかし実際に発売されたのは、バブルが崩壊した1997年。登場が早ければ、もっと違った展開になったかもしれない迷車です。
日産 ラシーン(1994年)
本格的なオフロード走行を目的とせず、シティユースのオシャレなSUVが現在の主流となっていますが、そんなコンセプトを1990年代に採用したモデルが、1994年にデビューした日産 ラシーンです。
「羅針盤」から取った車名は、ぼくたちのどこでもドアというCMでのキャッチコピーと相まって、知らない場所へ羅針盤ひとつで出かけていく、大航海時代をイメージさせます。
当時のサニーをベースにしたラシーンは、1.5L直列4気筒エンジンに全グレードフルタイム4WD仕様。トランスミッションには4速ATと、5速MTが用意されていました。
1997年にはマイナーチェンジが行われ、エンジンを1.8Lの直列4気筒に変更。さらに翌年にはスポーツグレードのラシーンフォルザが追加され、こちらには2.0L、145馬力のエンジンが搭載されました。
一度もフルモデルチェンジされることなく2000年に生産終了となりますが、その特徴的なエクステリアデザインとコンセプトは現在でも人気が高く、いまだにラシーン専門店が存在するほどです。
ダイハツ ロッキー(1990年)
1990年にダイハツから本格ライトクラスカントリーモデルとして登場した初代ロッキー。3ドアのレジントップのボディは、簡単に取り外しができオープントップの状態にすることもできました。
ラダーフレームに、1.6L 直列4気筒エンジンを搭載。トランスミッションは、発売当初ATの設定がなく5速MTのみ。1992年の改良時に4速ATが追加されました。
また駆動方式は、フルタイム4WDとパートタイム4WDという2つの4WDが用意され、フルタイム4WDのセンターデフにはロック機構も備わっていました。
クロカン性能も高かった初代ロッキーは、1991年にニューウエストグレード、1992年にSXリミテッド、1993年にはカンタベリー、さらに1995年には2.8Lディーゼルのラガーなど、グレードを追加するものの、国内での競争力不足から、1997年に生産終了となります。
2019年に復活したロッキーですが、こちらは同じ名前というだけで、先代車の後継ではないとアナウンスされています。
ダイハツのSUV ロッキーを解説!久しぶりのダイハツの新型SUVはトヨタ ライズとの違いはある?
90年代のSUV(RV)は、いわゆる現在のクロスオーバーSUVの源流となったモデルがたくさん登場しました。世界的なSUV人気が続くなか、今後どんなクルマが誕生するのでしょうか?