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長年愛されるメルセデス・ベンツ Gクラスってどんな車?歴史から紐解く
メルセデス・ベンツが誇るベストセラーカーと言えば、Gクラスをおいて他にないでしょう。独特のスクエアデザインと高いオフロード性能、そしてメルセデス・ベンツならではの高級感はいつの時代も人々を魅了してきました。
更新日2019/03/28そんなGクラスは1979年に登場して以来、何度かの改良を繰り返してきましたが、基本的な設計は初代から変化していませんでした。しかし、2018年1月のデトロイトモーターショーで、ついに新世代のGクラスが発表されたのです。ここでは、あらためてGクラスをその歴史とともに振り返ってみたいと思います。
W460型
はじめてGクラスが世に出されたのは、1979年のことでした。その開発自体は1972年から開始されており、卓越したオフロード性能と安全性、そして世界最高レベルの快適性を兼ね備えたモデルを目指し、当時はダイムラーグループの傘下であったシュタイア・ダイムラー・プフによって開発・生産されたのでした。
Gクラスのベースとなるのは、NATO軍向けに生産されていた軍用車です。先述の通り、シュタイア・ダイムラー・プフによって生産されていた初代Gクラスは、現在のようにメルセデスベンツの象徴であるスリー・ポインテッド・スターのエンブレムは採用されておらず、楯をモチーフにしたものが取り付けられていました。一方で、そのスタイリングは、すでに現在のGクラスと同様であり、完成度の高さがうかがわれます。
初代Gクラスにはショートホイールベースとロングホイールベースの2パターンが存在しました。また、コンバーチブルモデルもありました。エンジンは2リットル直列4気筒エンジンから3リットル直列5気筒ターボディーゼルエンジンまで、7種類が用意されました。加えて、トランスミッションもATとMTのどちらも用意されるなど、当初から幅広いラインナップでユーザーニーズに対応していたことがわかります。
初代Gクラスは1990年に大きなマイナーチェンジが施され、黒一色だったヘッドライトグリルがボディ同色となったほか、フェンダーアーチモールが標準化されたり、バンパーが大型化されてフォグランプが埋め込みになったりするなどより洗練されたモデルとなりました。また、このタイミングでアルミホイールも新設定されました。
日本国内では1983年より輸入が開始されました。当初は限られたモデルを少数輸入するのみでしたが、徐々に人気が高まり、多くのバリエーションが輸入されるようになったのです。
W461型/W462型
元々が軍用車両ということもあり、民生用ではない車両の生産も引き続き行われていました。W461型と言われるGクラスでは、ボディの基本的な部分は民生用と同様ですが、電圧が24Vに設定されていたり、副変速機の切り替えにより路上走行での2輪/4輪走行の切り替えが可能であったりと、軍用使用に沿った作りとなっていました。その最たる部分として、各種防空灯や自動小銃の取り付けが可能でした。
後に、このモデルを民生用にカスタマイズした特別仕様車が販売されることになりましたが、基本的には軍用使用を前提としていたのがこのW461型でした。
W462型はより限定されたもので、ギリシャのトラック・バス・軍用車メーカーであるELBOに向けて製造されたものでした。
W463型
1990年、Gクラスに初のフルモデルチェンジが施され、W463型へと進化しました。一方で、世界中で販売されている車両のため、先代のW460型も一部地域では継続して販売されました。このW463型は自動車史上に残るロングセラーモデルであり、度重なる改良を経てはいるものの、基本設計は変わらぬまま、2018年まで販売が続けられています。
W463型では、乗用車としての性能が大きく高められたほか、高級感の向上が図られました。アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やフルタイム4WD
、3種類の電気式ディファレンシャルが装備されました。また、インテリアでは上質なウッドやレザーを使った高級感のある仕様を選択することができるようになりました。
心臓部には、Gクラスのアイデンティティともなっている5リットルV型8気筒エンジンを中心に、多くのバリエーションが用意されることになります。また、後にAMGによる高性能モデルも登場し、AMG製の5.5リットルV型8気筒エンジンや6リットルV型12気筒エンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルも登場することになります。ちなみに、2018年現在のメルセデスベンツ日本国内のカタログモデルで最も高価なものが、この6リットルV型12気筒エンジンを搭載したメルセデスAMG G65です。受注生産ではありますが、3900万円というベース価格となっています。
日本市場では、1991年に300GEと300GEロングが導入されました。1995年にそれらのエンジンが3.2リットルのものへと変更されたことで、それぞれG320/G320ロングとなりました。1995年にはAMGによるハイパフォーマンスモデルとして、G36 AMG/G36 AMG ロングが導入され、現在につながるマルチラインナップの基礎ができました。
1997年、G320/G320ロングがV型6気筒エンジンへと変更されたほか、トランスミッションも5速ATが採用されました。また、コンバーチブルモデルであるG320 カブリオが追加されました。
そして1998年、現在のGクラスの中心的モデルとも言えるV型8気筒エンジン搭載のG500シリーズが導入されました。同年、G500をベースにしたハイパフォーマンスモデルとして、G55 AMGが追加され、より選択肢が広がることとなったのです。
2001年にマイナーチェンジが施され、内装のデザインがよりモダンなものとなりました。また、マルチファンクションコントローラー(AVN)が採用されるなど、テクノロジー面も向上しています。
2006年の小改良ではディスチャージ式ヘッドライトやコーナリングランプが採用されるなどエクステリアが、2007年の小改良では、6.5インチのディスプレイを搭載したマルチファンクションコントローラー(MPP)が採用されるなど、インテリアに変更が加えられました。
2012年のマイナーチェンジでは、G63 AMG ロングと G65AMG ロングが導入されました。また、LEDデイライトやCOMMANDシステムが採用されるなど、メルセデスベンツのほかのモデルと同様の先進装備を持つようになりました。また、2013年には23年ぶりにクリーンディーゼルエンジン搭載のG350 BlueTECが導入され、1000万円を切る価格で販売されました。
これ以外にも毎年のように小改良が加えられており、Gクラスが常に時代に合わせて変化していることがわかります。基本設計は変わらないと述べましたが、モデル自体は常に進化しているのです。
現行モデル
現在、日本市場で販売されているGクラスは4つのモデルが存在します。
G 350 dは、先進のBlueTECエンジンによって、たくましいパワーと高度な環境性能を実現したクリーンディーゼルモデルです。3リットルV型6気筒BlueTECエンジンを搭載、低圧縮比化やフリクション低減など全面的な改良を実施した結果、最高出力は245馬力、最大トルクは61.2kgmに向上しています。さらに、電子制御式の可変ターボチャージャーやECOスタートストップ機能を搭載したことで、トルク&パワー、そして環境性能ともに大幅な進化を果たしました。また、数々の革新技術によって低騒音化・低振動化を徹底。アイドリングから高速走行までのすべてのシーンで、Gクラスにふさわしい先進のパフォーマンスを発揮しています。
G 550は、パワフルで高効率な最先端エンジンとラグジュアリーな室内でより快適で俊敏な走りを手にしたGクラスです。次世代のハイパフォーマンスと高効率を実現する4リットルV型8気筒直噴ツインターボエンジンを搭載、このエンジンは、2つのターボチャージャーをVバンク内側に配置する革新的な“ホットインサイドV”レイアウトを採用しています。コンパクトなサイズとともに、ターボチャージャーへの最適なエアフローをもたらすことでハイパワーと俊敏なレスポンスを獲得、また、軽量でありながら高い強度を実現するために、砂型鋳造されるクローズドデッキのアルミクランクケースが採用されています。これらの先進技術によって、421馬力、62.2kgmを発生させています。また、G 550に標準のパッケージオプションで設定される本革シートは、高い機能性とともにラグジュアリーな室内を創造。やわらかな質感と適度なサイドサポート、一人ひとりの体格にフィットするきめ細かな調整機能が、日常使いはもちろん、ロングドライビングでも疲労の少ない心地よさを実現します。
メルセデスAMG G 63は、AMGの最新技術を投入した5.5リットルV型8気筒直噴ツインターボエンジンやAMGスピードシフトプラスを搭載。精悍なエクステリア、ラグジュアリーを極めたインテリアとともに、独創的でアグレッシブな存在にふさわしい圧倒的にパワフルな走破性を体感できるモデルとなっています。また、シングルルーバーのAMGのラジエーターグリル、大型のエアインテークを採用したフロントバンパーなど、ハイパフォーマンスSUVであることを、見る者に深く印象付けます。
メルセデスAMG G 65は、102kgmという驚異的なトルクを誇る6リットルV型12気筒ツインターボエンジンを搭載しています。AMGエクステリアデザインに、クロームメッキをあしらったAMGラジエーターグリルなど、Mercedes-AMG G 65専用のデザインを採用。またオーバーフェンダー上部に取り付けられた「V12 BITURBO」のバッチが比類なきパワーをさらに強調します。加えて、専用のエクスクルーシブなエクステリアと、クラフトマンシップと最上の素材が生み出す贅を尽くしたドライビング空間は、官能の最高峰を堪能することができるでしょう。
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そして、2018年、ついにフルモデルチェンジ
2018年のデトロイトモーターショーでは、W464型と言われる新型Gクラスが世界初公開されました。40年近くにわたって当初の設計を踏襲していたボディ構造がついに新設計されたのです。
一方で、そのプロポーションは往年のGクラスそのままと言えるほど、キープコンセプトが貫かれました。もちろん、最先端のテクノジーが注がれており、プロポーション以外は全く別のクルマと言っても過言ではないでしょう。メルセデスベンツが誇る名車、Gクラス。その新型がどのようなクルマに仕上がっているのか、今から楽しみで仕方ありません。
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