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メルセデス・ベンツ GLC F-CELLは燃料電池車だけど、燃料電池ってどういう仕組み?

クリーンで環境に優しい次世代のパワートレーンとして注目の燃料電池車。日本では2019年の東京モーターショーで、水素燃料電池を搭載したプラグインハイブリッドモデル、メルセデス・ベンツ(以下 メルセデス) GLC F-CELLが披露され、話題となりました。今回は、燃料電池車の仕組みや特徴について解説します。

更新日2020/01/14

燃料電池車ってどうやって動くの?

Mercedes-Benz GLC F-CELL (X253) 2017Mercedes-Benz GLC F-CELL (X253) 2017ガソリンエンジンがガソリンを燃料とし、それを燃焼させて運動エネルギーに変え、動力源としているのに対し、燃料電池は水素と酸素を反応させて電気エネルギーに変え、その電力でモーターを駆動させます。電池という名前が付いていることから、乾電池やバッテリーのように電気を蓄えたものというイメージがあるかもしれませんが、実際は化学反応によって電気を取り出す装置のことで、一般的にはスタックと呼ばれるものです。

燃料電池車の構造は大まかに、水素を貯蔵するタンク、水素と酸素を反応させて電気エネルギーを取り出すスタック、取り出した電気を制御するコンバーター、駆動用モーターなどで構成されています。メルセデス・ベンツ(以下 メルセデス) GLC F-CELLはプラグインハイブリッドモデルですので、スタックで取り出した電気や外部給電設備から供給される電気を蓄えるバッテリーや、給電プラグも備わっています。

燃料電池車はモーターで走行しますので、その動力性能はモーターのスペックに依存します。走行フィールも電気自動車とほとんど同じです。

一方ガソリンの代わりに水素を直接燃料として燃やし、動力源とする内燃機関を水素エンジンといい、既存のガソリンエンジンの機構を利用できるため、バイフューエルで使用できるものもあります。しかし実用化に向けた課題が多いため、現在このタイプはほとんど開発されていないようです。

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GLC F-CELLはどんな性能?

Mercedes-Benz GLC F-CELL (X253) 2017Mercedes-Benz GLC F-CELL (X253) 2017GLC F-CELLは2017年に発表された、世界で唯一の燃料電池プラグインハイブリッドモデルです(2020年1月現在)。

エクステリア(外装)はメルセデスのミドルサイズSUV、GLCと似ていますが、メルセデスの新しいEVシリーズのブランドEQ-Powerに属するモデルとなるため、ブルーのアクセントがフロントグリルやサイドスカート、リアバンパーに入れられています。サイドには燃料電池自動車であることを示すF-CELLのロゴが施され、ブルーのアクセントが入った20インチのアルミホイールが装着されています。

GLC F-CELLの興味深い点は、従来の内燃機関とは全く異なるメカニズムを持っているにも関わらず、既存のシャシーやボディにそのシステムが搭載されていることです。通常エンジンが収められているボンネット内にスタックやコンバーター類がぴったり入っており、車体後部床面に水素タンクとリチウムイオンバッテリーが搭載されています。

水素タンクは4.4kgの水素を充填することができ、燃料電池のみの航続距離は336km、リチウムイオンバッテリーのみの航続距離は41km、両方を組み合わせると合計377kmの航続距離となります。もし水素がなくなっても家庭や充電ステーションで充電を行えば、バッテリーのみで走行することも可能です。

走行用モーターの最高出力は147kW(200PS)、最大トルクは350Nm、リチウムイオンバッテリーの容量は13.5kWhとなっています。

また、経済的な走りや走行性の重視など、好みの出力やバッテリーマネジメントを選択できるドライブモードや、燃料電池のみでの走行、バッテリーのみでの走行、バッテリーチャージをするモードなど、ドライブの状況に合わせて走行状況を選択できるシステムモードも備わっています。

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燃料電池車のメリットは?

GLC F-CELL燃料電池車が走行時に発生するのは水(水蒸気)のみです。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのように二酸化炭素やスス、窒素酸化物などの有害物質を排出しませんので、クリーンで環境に優しいパワートレーンであること、これが最大のメリットと言えます。

また、ガソリン車が燃料を燃焼させ、その爆発力を運動エネルギーに変えているため、エネルギー効率があまり高くない(=熱として捨ててしまう)のに対し、燃料電池は化学エネルギーから直接電気エネルギーを取り出すことができるため、エネルギー効率が高いという点も挙げられるでしょう。

水素の充填が短い時間で済むというのもメリットでしょう。EV(電気自動車)の充電時間が30分〜数時間かかるのに対し、GLC F-CELLでは約3分と、ガソリンエンジン自動車と同程度です。

それに加え燃料電池は化学反応によって発電しますから騒音は発生せず、走行もモーターによって駆動しますので車内は静かで快適です。

燃料電池は非常に優れたパワーユニットであり、実用化は喜ばしいことですが、水素ステーションの数がまだまだ少ないことや製造コストが高いことなど、課題もあります。今後は電気自動車の普及が進んでいくことと思いますが、燃料電池車にもたくさんのメリットがあるので、これからの動向に注目したいですね。

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