プロモーション
【新型SUVのEVモデル対決】マツダ MX-30 vs プジョー 2008【EV航続距離はどっちが長い?】
2020年10月にローンチされたマツダの新型SUV「MX-30」。日本ではマイルドハイブリッドモデルとして販売が開始されましたが、すでに2019年から販売されている欧州版MX-30は、マツダ初のEV(電気自動車)モデルとして登場しています。 そこで今回は、急速にEVの普及が進む欧州市場に投入された2台のコンパクトSUV、新型MX-30とプジョー2008のEVモデルを比較しながら、その性能に注目してみましょう。
更新日2020/11/11エクステリア・ボディサイズ比較:MX-30は観音扉を採用、2008はライオンをモチーフにしたデザイン
MX-30は、マツダのデザインコンセプト「魂動(こどう)」に基づく躍動的で生命感あふれる造形としながらも、フロントフェイスは厚みがある立体的な形状と、ランプ周りの彫りを深くすることで親しみやすさも感じられる柔らかな表情になっています。
MX-30の大きな特徴のひとつは、観音開きの「フリースタイルドア」を採用していることです。見た目にスタイリッシュで、開口部が大きくアクセスがしやすいという利点はあるものの、リアドアは単独で開閉させることができないため、頻繁に後席を使用する方にとっては“一手間かかる”仕組みとなります。この辺は実車の使い勝手を確認する必要がありますね。
ボディサイズは全長4,395mm×全幅1,795mm×全高1,555mm、ホイールベースは2,655mmです。これは欧州で販売されているEVモデルの数値で、日本のマイルドハイブリッド仕様は全高が1,550mmとなります。この高さは立体駐車場に入庫できるかどうかに関わる大事な数字なので、日本にEVが導入される際はそれに合わせてくる可能性もありますね。
一方2008は2020年1月に発売が開始されたコンパクトSUVです。塊感のあるフォルムに、エッジを効かせたプレスラインで力強さと躍動感を表現。またライオンの牙やかぎ爪を表現したLEDシグネチャーランプやリアのコンビネーションランプなど、プジョーらしい個性も主張しながら、スタイリッシュに仕上げた外観となっています。
ボディサイズは全長4,305mm×全幅1,770mm×全高1,550mm、ホイールベースは2,610mm。ボディサイズによる使い勝手、街乗りでの扱いやすさはMX-30も2008も全くの互角だと言えるでしょう。
インテリア比較:MX-30は環境に配慮、2008は先進的なデザイン
MX-30のインテリア(内装)デザインは、他のマツダSUVモデルと共通性のある、機能性と上質感を感じさせるものとなっていますが、特にMX-30ではヘリテージコルクやペットボトルのリサイクル原料などサステイナブルな素材を使い、自然の風合いや触り心地を大切にしながら、環境負荷低減に貢献する配慮を行っています。
一方2008は、新しい「3D i-Cockpit」という先進的なデザインのインテリアを採用。上下をカットしたようなデザインの小径ステアリングや、インパネ上部に配置された立体的な表示のディスプレイ、未来的なデザインのトグルスイッチ、大胆な造形のトリムなど、新時代のモビリティを予感させる室内空間となっています。
走行性能比較:EV航続距離は2008の方が長い
MX-30に搭載されるモーターの最高出力は107kW(145PS)、最大トルクは270.9Nm(27.6kgm)で、注目のバッテリー容量は35.5kWh、航続可能距離は200km(WLTPモード)というスペックです。充電時間は、急速充電(最大50kW)の場合約40分、普通充電器(11kW)の場合は約4.5時間、家庭用電源の場合は約14.3時間となっています。
対する2008に搭載されるモーターの最高出力は100kW(136PS)、最大トルクは260Nm(26.5kgm)、バッテリー容量は50kWhで、航続可能距離は385km(JC08モード)というスペックです。充電時間は、急速充電で約50分、普通充電器(6kW)で約9時間、家庭用電源の場合は約18時間となっています。
走行性能、加速感については両車互角と言えますが、航続可能距離に違いがあります。正直、「MX-30の方はかなり少ないな」と思った方も多いのではないでしょうか。
マツダはEVを開発するにあたり、「バッテリーの製造から廃棄に至る工程での環境負荷」も考慮しており、バッテリーを小さくすることで環境負荷を減らすことができるうえに、クルマの重量と価格を抑えることで動力性能や経済性にもメリットがあるとしています。その最も良いバランスが「35.5kWh」というバッテリー容量であり、そこがマツダの考える“次世代の環境性能車”だということなのです。
ヨーロッパのドライバーにおける一日の平均走行距離は48kmと言われているので、日常的な使い方で困るということはないという判断ではありますが、ロングドライブが多い方にとっては、2008の方が安心感は高いと言えるでしょう。
安全装備比較:MX-30の方が安全装備が充実
MX-30も2008にも、先進の安全運転支援技術が搭載されています。
ただし、MX-30の衝突被害軽減ブレーキは後進時の障害物や左右から接近する車を検知する機能がありますし、AT誤発進抑制制御、クルージング中のステアリングアシスト、部分消灯で必要な視認性を確保するアダプティブ・LED・ヘッドライトなども用意されているため、MX-30の方がより安全性能が高いと言えます。
EVの更なる普及を地球規模で考え、CO2の削減を図らなければいけないというマツダの哲学は、MX-30の独創的なスタイリングやフリースタイルドアの採用、インテリアの素材、バッテリー容量に表れています。その考え方、つまり航続距離が“不便”ではなく“環境性能の高さ”であるとユーザーに訴求し、それをいかに受け入れてもらえるかが今後のマツダEVモデルの価値につながると思います。
MX-30のEVモデルは、日本市場で2021年1月の発売が予定されています。フランスでの価格は27,400ユーロ(日本円換算約334万円※20年11月2日現在)〜と、2008のEVモデル429万円〜よりも購入しやすい価格となりそうです。間もなくの登場、今から楽しみですね。