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平成に消えたSUV8選

令和の時代がスタートし、新たなクルマが登場するいっぽうで、時代をまたぐことなく平成に幕を閉じたクルマがあります。時代にマッチできなかったといえばそれまでですが、いずれもメーカーのエンジニアが情熱を持って市場に投入した意欲作であり、なかに時代が違えば…というクルマもありました。そんななかから、平成で終焉を迎えたSUVを紹介しましょう。

更新日2020/01/29

三菱 パジェロ

平成の世に空前のRVブームを巻き起こした三菱パジェロ。初代パジェロは1982年と昭和の時代に誕生し、1991年(平成3年)に登場した2代目パジェロによって人気に火がつきました。

堅牢なラダーフレームを採用したシャシーや、フロント独立懸架およびリヤ車軸懸架による足まわり、あらゆるシチュエーションで最適な駆動方式を生み出す三菱独自のスーパーセレクト4WDの搭載にくわえ、パリダカールラリーでの活躍などもあり、三菱を代表するSUVとして記憶されています。

デビュー当初は、3ドアのショートホイールベースのみで、のちに5ドアのロングホイールベースを追加ラインナップ。エンジンは2.3L 直4ディーゼル(NAとターボ)と、2.0L 直4ガソリン(NAとターボ)ラインナップされ、のちに3.0L V6ガソリンが登場しています。

2代目モデルになるとガソリンエンジンはV6が主流となり、ディーゼルエンジンはインタークーラー付きターボを採用するようになりました。
この2代目パジェロは、1991年(平成3年)から1999年(平成11年)まで販売され、3代目へとバトンタッチ。

3代目は、ラダーフレームからラーダフレームをビルトインしたモノコック構造へと変貌を遂げ、ボディサイズも拡大。スーパーセレクト4WDもⅡへと進化しています。

2006年(平成18年)には、フルモデルチェンジを敢行。溶接部位の工夫でボディ剛性を大幅にアップさせるとともに、軽量化も図られました。この4代目はいくつかのマイナーチェンジを行ないながら、10年以上の長きにわたって生産が続けられましたが、ショートホイールベース版は2018年(平成30年)2月に生産を終了。ロングホイールベースは2018年(平成30年)に生産終了を発表。惜しまれながらも、ついに2019年(令和元年)9月をもって、3つの時代にまたがる長い歴史に幕を閉じました。

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いすゞ ビークロス

いすゞ ビークロス1993年(平成5年)に開催された第30回東京モーターショーのいすゞブースで、ひと際異彩を放つコンセプトカーが展示され話題を集めました。
ヴィークロスと名付けられたこのSUVは、ビークロスに名前をあらため1997年(平成9年)に市販車としてデビューします。

シャシー、電子制御トルクスプリット式4WD、エンジン、サウペンションなど、基本のコンポーネンツは当時いすゞのフラッグシップSUVだったビッグホーンから流用するなど、本格的なSUVの機構を備えたビークロスは、なによりもその前衛的すぎるスタイリングが注目を集めました。
「海外の悪路を踏破できる全天候型スポーツカー」をコンセプトにしたヴィークロスから、大きく変更されることなく登場したビークロスのデザインは、いすゞヨーロッパエンジニアリングが担当しました。

エンジンはガソリンのみ。そのオールアルミ製の3.2L V6は、最高出力215PS/5,600rpm、最大トルク29.0kg-m/3,000rpmを発生し、コンセプトでもあるスポーツカーとしての資質にひと役買っています。

ビッグホーンとはかけ離れた風貌を持ち、内装や機構においても特別な1台として製作されたビークロス。カーオブザイヤーの特別賞およびグッドデザイン賞をダブル受賞するなど、高い評価を集めましたが、SUVというジャンルでありながら2ドアというハンデもあり、販売面では苦戦。1999年(平成11年)をもって日本市場での販売を終了しています。

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ホンダ エレメント

ホンダ エレメント2001年(平成13年)の北米国際自動車ショーで参考出展されたモデルXの市販車バージョンが、ホンダ エレメントです。

四角いフォルムをもつことで室内空間にゆとりをもたせ、SUVとミニバンを融合させたようなデザインが特徴のクロスオーバーSUVです。個性あふれるデザインは、ホンダR&Dアメリカが担当し、生産も北米で行なわれました。

ベースとなっているのはホンダCR-Vですが、10フィートのサーフボードを積載できる全長や観音開きのドアなど、CR-Vとはまったく違った雰囲気となっています。スタイリングの大きなアクセントになっているバンパーやフェンダー部は、クラディングと呼ばれる無塗装の樹脂パーツを用い、シートや室内フロアパネルは防水処理を施すなど実用性の高さにもこだわっています。

2002年(平成14年)から販売を開始。日本は翌年から販売をスタート。実用性に優れたデザインや機能によって、北米では一定の支持を得ることに成功したものの、日本での評判はふるわず、わずか2年という短さで販売を終了しました。

2.4L 直4エンジンには、i-VTECを搭載。駆動方式は、FFと4WDが用意されていたものの、日本では4WDのみが販売されました。

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日産 ムラーノ

日産 ムラーノ北米市場向けに日産自動車が投入したSUVモデルが、ムラーノです。

2000年から開発が始まり、2002年(平成14年)11月に北米での販売をスタートし、日本へは2004年(平成16年)から導入されました。
当時経営不振に陥っていた日産にとって、このムラーノにはかなりの期待が寄せられていましたが、そんなプレッシャーを見事跳ねのけ、日本および北米市場で好評を博します。

SUVらしからぬ洗練されたスタイリングは、ライバル車のなかでもずば抜けた完成度でグッドデザイン賞を受賞。北米および日本市場での人気の高さを受け、最終的には世界80か国で販売されました。

搭載エンジンは、2.5L 直4と3.5L V6の2つ。直4エンジンには4速AT、V6エンジンにはマニュアルモード付CVTがそれぞれ組み合わされています。

2008年(平成20年)には2代目へと進化。2011年(平成23年)には、電動トップを装備したムラーノ クロスカブリオレもデビューします。
海外ではで人気の高かったムラーノですが、日本の道路環境には大きすぎたのか、2015年(平成27年)をもって日本国内での販売を終えるとともに、日産は日本市場での大型SUVの販売からも撤退しています。

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スバル エクシーガ クロスオーバー7

エクシーガ クロスオーバー7 2015

「7シーターパノラマツーリング」をコンセプトにした7人乗車ミニバン、エクシーガの派生モデルとして2015年(平成27年)に登場したSUVがエクシーガ クロスオーバー7です。

専用サスペンションによって最低地上高が170mmに引き上げられ、全幅も1,800mmに拡幅。バンパーやホイールアーチ部などに樹脂パーツを採用。さらに大型になったフロントグリルやルーフレール、専用アルミホイールなどで、SUVらしい外観となっています。

2.5L 水平対向4気筒エンジンを搭載し、リニアトロニックと呼ばれるCVTを組み合わせ、駆動方式はシンメトリカルAWDを採用していました。
7人乗車の可能なSUVとして、エクシーガとは違った路線で人気を博しつつも、2018年(平成30年)をもって販売を終了しました。

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トヨタ FJクルーザー

2003年のデトロイトモーターショーで鮮烈なデビューを果たしたFJクルーザー。「Rugged & Freedom 〜すべてはクルマを楽しむために〜」を開発コンセプトにした本格的4WDモデルです。

2006年の発売開始直後から、北米市場でたちまち人気となり、2010年から日本国内にも導入を開始。販売するにあたり、日本では”個性的なスタイリング(見る)”、”高い走行性能(操る)”、”遊びに応える本物志向の装備(遊ぶ)”にくわえて、”自分好みにカスタマイズできる(選ぶ)”という販売方法を用いました。

両側に大開口観音開きドアを採用したスタイリッシュなデザインに、直立フロントウインドウシールドガラス、丸目ヘッドランプ、ホワイトルーフ、TOYOTAエンブレムなど、力強くもモダンなパーツを施した個性的なスタイリングが特徴。

パワートレインには、4.0L V6エンジンを搭載。みずからの意思で作動・非作動を選択できるパートタイム4WDシステムの採用にくわえ、ショックアブソーバーにも最適なチューニングを施すことで、オンロードからオフロードまで高い走行性能を実現しています。

大人5人が余裕で座れる室内には、防水・撥水ファブリックシートやラバー調素材のフロア&デッキカーペット、大型ドアハンドル、大型シフトレバーノブ&トランスファーノブなどを採用。ラゲッジスペースは、ゆとりのある積載量を確保し、アウトドア志向の強いパッケージとしています。

独創的なデザインと優れたユーテリティ、そして遊び心を散りばめたFJクルーザーですが、北米市場では2014年モデルまで。日本市場でも2018年1月をもって生産を終了し、その歴史に幕を閉じました。

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日産 デュアリス

日産 デュアリス日産が欧州戦略車として2007年に発売したクロスオーバーSUVモデル、それがデュアリスです。

「スマート&コンパクトクルーザー」をコンセプトにした、新しいミドルサイズクロスオーバーで、軽快かつコンパクトな上半身とSUVらしいダイナミックさと安心感を持つ下半身を融合させた個性的なエクステリアが特徴です。

またハッチバックとSUVのクロスオーバーとすることで、コンパクトハッチバックの取り回しが良く軽快感のあるドライブフィールが楽しめ、SUVとして十分な室内空間による居住性の高さを両立しています。

エクステリアはフェンダーからルーフに連続するキャラクターラインとSUVの安定感と躍動感を表現するフェンダーアーチが印象的で、サイドウインドウグラフィックスにはクロスオーバーらしいシャープさを強調。ウエストラインはアスリートの筋肉のような伸びやかさを演出し、リアスタイルはランプとしての機能だけでなく空力性能の向上にも貢献するコンビランプを配置して、守られ感も生み出しています。

インテリアはセンターコンソールを高い位置に配置することで、ドライバーには運転に集中できる包まれ感を生み、助手席はくつろぎ感をそれぞれ提供。ブラックを基調にメタリック調のフィニッシャーをバランスよく配置することでスポーティ感を表現しています。

ラゲッジスペースはサスペンションのレイアウトを工夫することでクラストップレベルの容量を確保し、大きなフロントガラスとコーナーリング中でも安定した着座位置を確保するシートの採用によって開放感のある快適な車内空間を実現していました。

欧州ではキャッシュカイ、北米およびアジアではローグ名で販売。日本市場は2014年をもって販売を終了しました。

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トヨタ ヴァンガード

ヴァンガード”Active&Luxuryをテーマに、ゆとりの動力性能や優れた操縦性・走行安定性を持つプレミアムクロスオーバーSUVとして2007年にデビューしたトヨタ ヴァンガード。

アウトドアフィールドだけでなくアーバンシーンにも映える上質な内外装スタイルを身に纏い、乗る人々のライフスタイルをより豊かに演出するミドルサイズSUVです。

エクステリアデザインは、トヨタブランドのデザインフィロソフィにもとづき、都会的でありながらSUVらしい逞しさ、そして洗練された個性を表現しています。

7名乗車の3列シート車と、5名乗車の2列シート車を設定。シート素材には本革とアルカンターラを組み合わせたシート表皮を設定するなど、高級感も兼ね備えていました。

シートアレンジは、3列シート、2列シートともに多彩で、さまざまなシーンに対応可能なユーテリティを実現。とくに7名乗り車は、座り心地の良いサードシートを採用するとともに、シートを床下に格納する構造とすることで、広いラゲッジルームとしても活用できました。

パワートレインには、動力性能に優れた3.5L V6エンジンと2.4L直4エンジンを用意。新設計サスペンションや高剛性ボディとあいまって、SUVらしからぬ走行性能を生み出します。

さらに車速や路面状態など走行状況に応じて最適なトルクを前後輪に配分し、パワー・ステアリング・ブレーキを協調制御するS-VSC+アクティブトルクコントロール4WD協調制御を全車に標準装備し、路面状態を選ばない安定した走りを追求していました。

V6モデルは2012年に販売を終了。直4モデルは、2013年11月をもって販売を終了しています。

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ダイハツ ビーゴ/トヨタ ラッシュ

トヨタ ラッシュ
2005年の東京モーターショーで発表され、翌年から発売をスタートしたダイハツ ビーゴ。兄弟車であるトヨタ ラッシュはOEMによる供給モデル。欧州市場などでは、テリオスとして販売されました。

「タフ&カジュアルスポーツ・ユーテリティワゴン」をコンセプトにしたコンパクトサイズのSUVモデルで、SUVの持つ楽しさや走破性と、コンパクト2ボックスとしての気軽さ・使い勝手の良さ、さらにワゴンのうれしさ・機能性を高い次元で融合させた新しいジャンルの1台としてデビュー。

都会的でモダンな新しさと存在感を醸し出すエクステリア、上質感を目指したインテリア、優れたユーテリティ機能をもち、発売以来高い人気を獲得しました。

パワートレインには1.5L直4エンジンを搭載し、トランスミッションは4ATのほかに走りの楽しさを味わえる5速MTも設定。駆動方式はFFと4WDがそれぞれ用意されていました。

ちなみに2008年のマイナーチェンジでは、新デザインの16インチアルミホイールの採用や、明るいグレージュとシックなダークグレーの2色から選べるスウェード調ファブリックシートの採用によって、高級感を高めています。

ビーゴは、2WDモデルは2014年に、4WDモデルは2016年3月に販売終了。これによりダイハツのコンパクトSUVは、しばらくカタログから姿を消していましたが、2019年にロッキーという名前で復活を遂げています。

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独創的な開発コンセプトや斬新なスタイリング、実用性の高いパッケージを持ちながら、平成の世にひっそりと姿を消したSUVたち。令和の時代にも、それらの遺伝子を受け継いだエポックなSUVが誕生することを期待します。

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