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短命に終わった“しくじりSUV”5選

せっかく開発して発売したのに、なぜか短命に終わってしまったSUVたち。時代背景やそもそもクルマ自体に受け入れられなかった問題があったのでしょうか。振り返ってみると、なるほどということもあり、いっぽうでは、いま出ていたらいいのにとか、現代の技術や要素を少し盛り込めばとか……。そんな残念だったSUVたちを振り返ってみましょう。

更新日2019/12/25

いすゞ ビークロス(VehiCROSS)

いすゞ ビークロスいすゞ ビークロスは、国内では1997~1999年のわずかな期間しか販売されませんでした(輸出用は2002年まで)。

コンセプトは全天候型スポーツカー、ラリーレイドでも十分対応できるというもので、正にスポーツSUVの先駆けで、デザインやコンセプトが高く評価され1997‐1998日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞を受賞しているほどです。

1993年東京モーターショーで発表したコンセプトカーを、ほとんどそのままに1997年4月から市販開始。プラットフォームは、同社のクロスカントリーモデルのビッグホーンです。

全長4,130mm×全幅1,790mm×全高1,710mm、ホイールベース2,330mmと現在のコンパクトSUV並みの車体に、ビッグホーンで使われる自然吸気3.2L 75° V型6気筒DOHCを改良した最高出力158kW(215PS)/5,600rpm、最大トルク284Nm(29.0kgm)/3,600rpmを発生する強力なエンジンを搭載(輸出用は3.5L)。

駆動方式は電子制御トルクスプリット4WDです。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアが4リンクコイルスプリングで、ダンパーには別体式タンクを持つモノチューブ(KYB製)。ハンドルはモノ、シートはレカロ。登場するのが早過ぎた?先進のSUVです。

東京モーターショーのコンセプトカーから誕生した、いすゞ ビークロス

平成に消えたSUV5選

 

ホンダ MDX

ホンダ MDX 2003

ホンダMDXは、2003~2005年に国内販売されたミドルサイズのプレミアムSUVです。当時のホンダR&Dアメリカズで企画され、カナダ工場で生産された輸入車です。

日本価格で約500万円。これはホンダが北米で展開するハイグレードブランド“アキュラ”のSUVであるMDXを輸入し、日本でホンダブランドから販売したためでした。北米デビューは2001年で、改良された2003年型から日本でも販売されました。

3列シートの7人乗りで、全長4,790㎜×全幅1,955㎜×全高1,820㎜と余裕のアメリカンサイズです。

エンジンは、3.5L V型6気筒SOHC 4バルブで可変バルブタイミング機構VTECを持ち、5速AT・4WDのみを設定。最高出力191kW(260PS)/5,800rpm、最大トルク345Nm(35.2kgm)/3,500rpmとパワーは強力です。

ハイグレードSUVとして優れた性能・装備を持っていましたが、日本でのアキュラ店展開が見送られるなど会社や社会状況(金融不況)などの影響から国内では短命に終わりました。が、北米ではモデルチェンジをしながら人気を継続し、2020年型ではハイブリッドAWD(フルタイム4輪駆動)、FFなどを設定しています。

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ニッサン ミストラル

日産 ミストラル 1995ニッサン ミストラルもホンダ MDXのような輸入車です。1993年にスペインで生産され、ヨーロッパで販売されていた“テラノⅡ”を日本仕様に変更して、1994~1999年に国内販売されました(ヨーロッパでは2006年まで)。ちなみに、欧州フォードのマーベリックは、OEM供給されった同型車です。

クロスカントリー+レジャーの融合モデルで、ピックアップやテラノ/パスファインダーなどをベースとしたラダーフレームを採用。

車体は2タイプあって全長/ホイールベースは、2ドアショート・5人乗りが4,105㎜/2,450㎜、4ドアロング・7人乗りが4,580㎜/2,650㎜で、全幅1,755㎜×全高1,805㎜は共通です。

1997年型国内仕様のエンジンは、2.7L 直4ディーゼルターボ(インタークーラー付き)で、最高出力96kW(130PS)/4,000rpm、最大トルク278Nm(28.4㎏m)/2,000rpmを発生。駆動方式は、パートタイム4WD(自動的にハブのロックが行えるオートロックフリーランニングハブ装備)で、ミッションは4速AT+2段副変速機付きでした。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアが5リンクコイルスプリングで走破性にも優れていました。

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トヨタ ヴァンガード

ヴァンガードトヨタ ヴァンガードは高級クロスオーバーSUVとして、2007~2013年にトヨペット店とカローラ店の2系から販売されました。ミドルサイズのハイグレードSUVとしては同時期にハリアー(レクサス系はRX)があり、比較するとやや地味な存在でした。

タフ&ジェントル7シーターというキャッチフレーズ通り、3列7人乗りがウリだったのですが、サードシートはやや狭く、これは全長4,570㎜で、前作クルーガーや同クラスの他社SUVよりも短かったことも影響しているようです。ちなみに5人乗り仕様もあります。

その他の数値は、全幅1,855㎜(V6エンジン)/1,815㎜(直4エンジン)×全高1,690㎜(7人乗り)/1,685㎜(5人乗り)です。

エンジンは3.6L V型6気筒DOHC[最高出力206kW(280PS)/6,200rpm、最大トルク344Nm(35.1kgm/4,700rpm) 2012年まで]と、2.4L 直4DOHC[最高出力125kW(170PS)/6,000rpm、最大トルク224Nm(22.8kgm)/4,000rpm]の2種類。ミッションはV6が5速ATで、直4が無段階変速のCVTです。

アクティブトルクコントロール4WDは、前輪駆動状態と4輪駆動状態を電子制御するもので、通常走行ではほぼFFで燃費を向上させています。2008年にはFFも追加されました。

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スズキ X-90

ノッチバック(3ボックス)クーペ、2ドア2シーターという超個性的なスタイリングで1995~1998年に販売されたSUVが、スズキX-90です。しかも脱着可能なガラスルーフを持つTバールーフ構造です。

1993年に国内外のモーターショーにプロトタイプが展示され、注目を集めたことから市販化。車名は開発コードをそのまま使っています。

乗用車然としたスタイリングですが、プラットフォームはクロスカントリーモデルのエスクードで、そのため基本骨格はラダーフレームと、本格的なもの。

全長3,710㎜×全幅1,695㎜×全高1,550㎜のとコンパクトな車体に、1.6L 直4SOHC 16バルブ[最高出力73.5kw(100PS)/6,000rpm、最大トルク137.3Nm(14.0㎏m)/4,500rpm]のガソリンエンジンを搭載。

駆動方式はパートタイム4WDで、5速MTと4速ATがありました。副変速機付きで2H(FR・2WD高速)、4H(4WD高速)、4L(4WD低速)の切りかえが可能です。

サスペンションもエスクードからのもので、フロントがマクファーソンストラットで、リアがセンターウィシュボーン(センターAアーム付き)トレーリングリンクです。ユニーク過ぎてあまり受け入れられず、短命に終わりました。

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あらためて振り返ってみると、短命に終わった原因はやはりありますね。でも、コンセプトやデザインが悪かったわけでないモデルも多いので、どこか残念でもあります。また、短命モデルは逆に熱狂的なマニアを生んでいるのは、趣味の世界ではよくある現象。売れないということはメーカーにとっては大問題ですが、希少車はマニアにはたまらない魅力でもあるのです。

時間が経てば名車と認知されたりすることあります。もう少し発掘すれば、まだまだ出てきそうですね。

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