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SUVにも多く採用されるハイブリッドの仕組みって理解してる?
世界初の量産型ハイブリッドカー、プリウスの大ヒットによって広く知られるようになったハイブリッドシステムですが、近年はSUVや軽自動車にも多く採用されるようになってきました。パワフルな走りと低燃費を両立させた画期的なシステムではありますが、そのシステムにも種類があり、それぞれ違った特徴があります。それぞれのハイブリッドシステムについてあらためて確認してみましょう。
更新日2020/03/24エクストレイルに搭載される?噂のe-POWER
日産のe-POWERについては、『電気自動車の新しいカタチ』というCMキャッチコピーが印象的だったこともあって、EVと勘違いされいるかもしれませんが、e-POWERは「シリーズ式ハイブリッド」というれっきとしたハイブリッドシステムです。
e-POWERには、発電用のガソリンエンジンが搭載されており、エンジンが生み出した電気を使ってモーターを駆動し、走行します。そのため、大容量のバッテリーを必要とせず、既存の車種に導入しやすいというメリットを持っています。
モーターはその特性上、発進時から最大トルクを発生することができるため、瞬発力のある加速が味わえますし、高速道路や市街地での走行中もレスポンスよく反応。モータードライブならではの静かな走行音は、室内の快適性に貢献します。
一方、エンジンは発電専用ですから、発電のためにもっとも効率の良い回転数で使えればよく、またモーターはごくわずかな減速でも回生エネルギーが取れるよう設定することによって、燃費性能を高めることができます。
日産はこれまで、ノートとミニバンのセレナにe-POWERを導入していますが、今後はSUVのジュークやエクストレイルといった車種にも展開する計画のようです。
ちなみに、e-POWERによく似たシステムとして”レンジエクステンダー”というものがありますが、こちらは給電プラグを備えた電気自動車で、バッテリー残量が少なくなったときにエンジンで発電するもの。給電プラグを持たないシリーズ式ハイブリッドとは異なります。
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トヨタ RAV4に搭載されるハイブリッドは?
1997年、トヨタが世界初のハイブリッド量産車であるプリウスを世に送り出して以来、ハイブリッドといえばトヨタと呼ばれるくらいその地位を確立してきました。トヨタのハイブリッドシステムは、THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)と表記されます。現在は、第2世代のTHS-Ⅱとなっています。
THSは、20年以上の歴史をすでに刻んできたわけですが、もちろんその間も改良を重ね、登場時と現在のシステムはまったく別物と言っても良いくらい進化しています。
システムは、エンジンと駆動用モーター、発電用モーター、バッテリーという組み合わせで構成され、遊星歯車(プラネタリーギア)を使った動力分割機構と、それを制御するコンピューターがカギを握っています。この複雑な機構のおかげで、エンジンの動力を直接駆動力に用いたり、発電用モーターや駆動用モーターに動力を振り分けたりすることができます。
パワーが必要なときにはエンジンを回し、モーター+エンジンという強力な力で走行することができますし、システムの判断で定速走行時にはエンジンを止め、モーターのみで走行することができます。
またバッテリーの容量が少なくなったときには、発電用モーター(ジェネレーター)に動力を配分し、発電しながら走行することもできますし、バッテリーの容量次第ではドライバーの操作でモーターのみの走行(EV走行)をすることも可能です。
このように、動力分割(スプリット)機構を使い、状況によってエンジンの動力を自在に切り替えながら、もっとも効率の良い、パワフルで低燃費な走りを目指すTHSのようなハイブリッドシステムを「スプリット式ハイブリッド」といいます。
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マイルドハイブリッドとは?
スズキ自動車のハスラーやイグニス、クロスビーなど、軽自動車や小型乗用車には「マイルドハイブリッド」と呼ばれる機構の採用が増えています。
プリウスやアクアのような分割機構と2つのモーター、大きなバッテリーを使った複雑なハイブリッドシステムは、ストロングハイブリッドやフルハイブリッドと呼ばれていますが、マイルドハイブリッドには分割機構がなく、発電機能が付いたアシスト用モーターと、小型のリチウムイオンバッテリーが備わっているというシンプルな構成です。
マイルドハイブリッドの場合、モーターはエンジンのアシストと再始動、また減速時のエネルギー回収という役割となり、あくまでもエンジンが主体。
そのエンジンが苦手とする発進時や、強い加速が必要なときにモーターがアシストして、低燃費・高効率な走りに役立てています。しかも小型のモーターとバッテリーで済みますから、コストやスペース効率という点でも有利なのです。
このようなハイブリッドは、「パラレル方式」や「モーターアシスト方式」と呼ばれ、スペース効率を重視する小型乗用車はもとより、環境性能や燃費性能を向上させるため、トラックやバスなどにも広く採用されています。
世界的にみれば各自動車メーカーは電動化を進めており、内燃機関を持つモデルは今後減少する傾向にあると言われています。とはいえ、ハイブリッドモデルが活躍する時期はしばらく続きそうです。